肝機能障害

肝機能障害

健診で肝機能異常を指摘された方へ

肝機能障害

健康診断の血液検査で「肝機能の数値が高い」と言われても、痛みなどの症状がなく、そのまま様子を見てしまう方は少なくありません。 肝臓は不調が表に出にくい一方で、原因によっては放置することで肝硬変や肝がんなどにつながる可能性もあるため、早めに原因を確認することが大切です。当院を受診の際は血液検査、最近の検査歴が無ければ腹部エコーを行います。金曜日受診の際は腹部エコーを午前中に行いますので「腹部エコー」をweb予約の上絶食で来院ください。その他の曜日では血液検査から行いますので食事をして来院されて構いません。

肝臓の主な役割

肝臓は、栄養を体で使える形に整えて蓄え、必要に応じてエネルギーとして活用する「代謝」の中心的な臓器です。 また、体内に入った有害物質を分解して排出しやすくする「解毒」も担っており、働きが落ちると毒素が体内に蓄積しやすくなります。 さらに胆汁を作って分泌し、脂肪などの消化吸収を助けますが、胆汁の流れが滞るとビリルビンがたまり黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)を起こすことがあります。

肝機能障害とは

肝機能障害とは

肝機能障害は、肝臓の細胞が炎症などで傷ついたり、胆汁の流れが悪くなったりして、血液検査値に異常が出ている状態を指します。 原因として多いのは肝炎で、日本ではウイルス性肝炎が多いとされています。 そのほか、飲酒に関連した肝障害、薬の副作用による薬物性肝障害、自己免疫が関与する自己免疫性肝炎、飲酒が多くなくても起こる脂肪肝(NAFLD/NASH)など、複数の可能性があります。

ウイルス性肝炎

肝炎ウイルス(A~E型)の感染によって肝臓に炎症が起こる病気で、日本ではB型(HBV)とC型(HCV)が多いとされています。 感染経路やリスク評価は背景によって異なるため、必要に応じてウイルス検査を行い確認します。

アルコール性肝障害

長期間にわたる過度の飲酒が続くと、脂肪肝から肝炎へ進み、肝硬変や肝がんのリスクが高まることがあります。 飲酒量の見直し(節酒・禁酒)が治療と予防の基本になります。

代謝機能障害関連脂肪肝疾患(MASLD)/代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)

いわゆる脂肪肝ですが、お酒が多くなくても脂肪肝になるタイプで、生活習慣や体重、脂質異常・高血圧などと関連することがあります。 MASLDの一部はより悪いMASHへ進行するとされ、不可逆的な状態である肝硬変になるリスクが高まります。脂肪肝と言われたら体重を減らすように生活を見直してみましょう。

薬物性肝障害

抗生物質、解熱鎮痛薬、精神神経薬、抗がん剤などの薬剤で起こることがあるほか、漢方薬・市販薬・サプリメントでも生じる可能性があります。 服用中の薬がある場合は、自己判断で中止せず受診時に必ずお知らせください。

自己免疫性肝炎

免疫の仕組みが関与して肝臓が障害される病気で、血液検査で抗体が高いことなどが手がかりになる場合があります。 自覚症状が乏しいケースもあるため、検査での評価が重要です。

Basedow病

若い女性に多い甲状腺ホルモンが過剰な病気です。当院でも若い女性で肝障害をきっかけに受診されBasedow病が判明した方がいました。

健診でよく見る肝機能の検査項目

肝臓の異常は症状が出にくい一方で、血液検査には変化が現れやすいとされています。 数値は単独では判断できず、複数項目の組み合わせや背景(飲酒、体重、服薬歴など)を踏まえて評価します。

AST(GOT)・ALT(GPT)

どちらも肝細胞などに含まれる酵素で、障害が起きると血液中に増加します。 ALTは肝臓に多く、ASTは筋肉などにも存在するため、上がり方のパターンが原因推定の手がかりになります。

γ-GTP

アルコールや胆道系の異常などで上昇することがあり、飲酒習慣の影響が疑われる際の指標にもなります。 また肥満などと関連する脂肪肝(NAFLD/NASH)を考えるきっかけになることもあります。

ALP

胆汁の流れが滞る(胆道の狭窄・結石など)場合などに上がることがあり、肝臓以外(骨など)が関係するケースもあるため追加評価が必要です。

総ビリルビン

赤血球の分解で生じる色素で、肝臓で処理され胆汁として排泄されます。 肝機能の低下や胆道の通過障害などで高くなることがあり、黄疸の原因評価にも関わります。

精密検査が必要な理由

肝機能異常が軽度に見えても、原因によっては静かに進行し、気づいた時には病状が進んでいることがあります。 脂肪肝や肝臓の炎症を放置すると肝硬変などに進むリスクがあるため、健診で指摘された段階で一度きちんと調べることが推奨されています。

肝機能障害で行う検査

肝機能障害が疑われる場合、原因や重症度を把握するために複数の検査を組み合わせて評価します。

腹部超音波検査(肝臓エコー)

腹部に超音波を当てて、肝臓の大きさ・形、脂肪の付き方などを確認します。画像から肝臓の状態を観察でき、肝障害の進み具合の判断にも役立ちます。所要時間はおよそ5〜10分です。放射線を使わないため被ばくの心配がなく、体への負担が少ない検査で、基本的に痛みもありません。腹部エコーでは肝臓の脂肪を測定できる最新装置も導入していますので脂肪肝が気になる方は検査をおすすめします。

血液検査

採血によって肝臓に関連する数値を調べます。肝臓の細胞に炎症やダメージがあると、AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTP などが上昇することがあります。さらに、ビリルビンやアルブミンの値は、肝臓の処理能力や合成機能まで含めて総合的に評価する際に重要な指標となります。

肝酵素(AST・ALTなど)の測定

ASTやALTは、肝細胞が傷ついたときに血液中へ出てくる酵素です。そのため、肝機能に異常がある場合は基準値より高くなる傾向があり、肝障害を示すサインとして用いられます。

ビリルビンの測定

ビリルビンは赤血球が分解されて生じる物質で、通常は肝臓で処理されます。数値が高い場合、肝臓の処理が追いついていない可能性があり、肝機能の低下が疑われます。

アルブミンの測定

アルブミンは肝臓で作られるタンパク質です。値が低下しているときは、肝臓の合成機能が十分に働いていない可能性があり、肝機能障害の判断材料になります。

肝炎ウイルスの検査

肝炎ウイルス(B型・C型など)は、肝細胞に感染して炎症を起こし、肝機能障害の原因となります。血液検査でウイルスマーカーを調べることで診断が可能です。慢性化すると肝硬変や肝がんにつながることがあるため、早期の評価が重要です。

自己免疫性肝炎の検査

自己免疫性肝炎は、免疫の異常により自分の肝臓を攻撃してしまう病気です。血液検査(自己抗体・IgG)や画像検査を組み合わせて診断します。適切な治療により肝機能の改善が期待できるため、早期発見が大切です。

肝機能障害の治療

肝機能障害の治療は、背景にある原因(脂肪肝、ウイルス性肝炎、アルコールなど)によって方針が変わります。脂肪肝や肝炎を放置すると肝硬変や肝がんへ進行することもあるため、早めに適切な対応を行うことが大切です。以下はどのような生活を送ればいいかについて述べます。

食生活の見直し

生活習慣の改善は治療の土台になります。食事では次の点を意識しましょう。

  • 野菜を十分に取り入れる
  • 脂質の多い食品を控えめにする
  • 良質なタンパク質を適量とる
  • 主食・主菜・副菜をそろえ、栄養バランスを整える

無理のない運動を続ける

ウォーキングなど、1日30分程度の継続しやすい運動は健康管理に役立ちます。身体を動かすことで脂肪の代謝が促され、体重管理にもつながります。また、筋肉は体内のアンモニア代謝を支える役割があるため、運動で筋肉量を保つことは肝機能にも良い影響が期待されます。

飲酒を控える(休肝日を作る)

肝臓への負担を減らすため、飲酒量の見直しが必要です。少なくとも週に2日は休肝日を設け、飲まない日を作って肝臓を休ませることが望まれます。

受診の目安

健診で肝機能の異常を指摘された場合は、症状がなくても早めに医療機関へ相談しましょう。 皮膚や白目の黄ばみ、強いだるさ、むくみなどがある場合は、早急な受診をおすすめします。

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