糖尿病

DIABETES 糖尿病

DIABETES糖尿病とは

雇入時の健診、定期健診について

血液中に含まれるブドウ糖の濃度である血糖値が高い状態が続く疾患です。長期間高血糖の状態が続くと血管に大きな負担が蓄積して動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中などの発症リスクを上昇させます。
また、高血糖は毛細血管などにも障害が及びますので、深刻な合併症を起こす可能性があります。さらに、免疫力が低下して感染や重症化を起こしやすくなり、傷の治りが悪くなって、全身がエネルギー不足を生じ、全身倦怠感や様々な機能不全を起こす可能性もあります。
できるだけ早く適切な治療を開始して血糖値を正常な状態まで下げ、その状態を維持する事が重要です。

DIABETES糖尿病の初期症状

雇入時の健診、定期健診について

軽度の糖尿病は自覚症状に乏しく、健康診断などで血糖値の高さを指摘されて初めて分かります。症状がないと治療の必要性を感じにくく放置してしまうケースがありますが、糖尿病は軽いうちに治療する事で楽な制限で治せる可能性が高くなります。
症状がなくても糖尿病は血管にダメージを蓄積させ続けて進行し、深刻な合併症のリスクが上昇するだけでなく、心身への負担が大きい制限や治療が必要になってしまいます。

DIABETES進行した糖尿病で現れる症状

口渇(喉が渇く)・多飲

血液を薄めて高血糖を解消しようと脳が生理的に判断して強い喉の渇きを頻繁に感じるようになり、実際に水分を大量に飲む多飲の症状を起こします。
糖分が多いソフトドリンクをたくさん飲んで血糖値の急激で大幅な上昇を起こし、倒れてしまうペットボトル症候群を起こす場合もあります。

頻尿

水分摂取量が増える事で、頻繁にトイレに行くようになります。

体重減少

細胞にエネルギー源となる血糖を届ける働きを持ったインスリンの不足や働きの低下によって、しっかり食べてもエネルギー不足が生じ、体重が減少します。
急激に大幅な体重減少を起こすケースもありますが、すぐに治療を受けないと糖尿病性ケトアシドーシスという危険な状態になって入院による治療が必要になってしまいます。

全身倦怠感・免疫力低下

インスリンの不足や働きの低下によって全身の細胞がエネルギー不足になり、全身倦怠感や免疫力低下、機能不全などを起こしやすくなります。
感染しやすく、重症化リスクも高くなり、傷などの治りも悪くなります。また、痛みを感じにくくなる事で心筋梗塞など深刻な状態になっても強い痛みを起こさず、治療が遅れてしまうケースもあります。

糖尿病性ケトアシドーシス

血液が酸性になって、進行すると昏睡や意識障害を起こし、死亡する可能性のある状態です。速やかに医療機関を受診して適切な治療を受ける必要があります。

DIABETES糖尿病の合併症

糖尿病の合併症は、しっかり治療を続けて血糖値やHbA1c値が低い状態を維持する事で発症の予防が可能です。

糖尿病性神経障害

障害を受ける神経により、足の痺れ、立ちくらみ、便秘など様々な症状を起こします。高血糖が5年程度続くと現れるとされています。

糖尿病網膜症

糖尿病と診断されたら、定期的な眼科検診(年に1回)を受ける必要があります。左右の目から得た情報を脳が補完して見ていますので、視野の欠損などがあっても進行するまで気付かないケースがほとんどを占めます。
大幅な視力低下や視野欠損を起こし、網膜剥離などを起こして失明に至る場合もあります。実際に、成人の中途失明原因で糖尿病網膜症は上位にあります。高血糖が710年程度続くと発症しやすくなるとされています。

糖尿病性腎症

腎臓には微細な毛細血管が縦横に張り巡らされていますが、高血糖が続くと糸球体が壊れてしまって腎不全を起こします。
壊れた糸状体は回復できず、人工透析が必要になってしまいます。糖尿病では定期的な検尿が必要です。高血糖が1013年続くと人工透析が必要になるとされています。

心筋梗塞・狭心症・脳卒中

高血糖によって動脈硬化が進行し、心筋に酸素や栄養を送る冠動脈や、脳の血管が詰まって心筋梗塞や脳梗塞を起こします。血管が閉塞してしまうと血液が流れてこなくなった部分の組織が壊死してしまいます。脳梗塞の場合、閉塞を起こした場所によって現れる症状は大きく異なり、命が助かっても深刻な後遺症を残す可能性があります。
内臓脂肪型肥満があり、糖尿病以外に高血圧脂質異常症のどちらか、または両方を合併していると動脈硬化の進行が促進されてしまいます。

歯周病

糖尿病と歯周病は合併しやすく、片方を治療するともう片方も改善しやすくなり、片方が悪化するともう片方も悪化する傾向があります。
歯周病も長く症状を起こさない状態で進行しますので、特に口内の問題がなくても定期的に歯科検診を受けて早期の治療に努める事が糖尿病の改善にも役立ちます。

足の壊疽(えそ)

糖尿病では感染や重症化を起こしやすくなり、傷の治りも遅れます。また痛みの感じ方が鈍くなり、健康な状態であれば強い痛みがあってすぐに適切な手当が必要と気付くような状態でも軽い違和感程度しか起こさない場合があります。
こうした事から、靴ずれ、巻き爪や陥入爪、水虫などで足の皮膚に感染が生じやすくなり、潰瘍化して壊疽を起こす場合があります。悪化すると足を背油断しないと命に関わる状態になる場合もあります。
糖尿病と診断されたら普段から丁寧にフットケアを行い、足の皮膚の異常に気付いたら早めに受診しましょう。

DIABETES血糖値とHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)

血糖値は食事などの影響を受けて大きく変動します。HbA1cは、過去1~2か月の平均血糖値が分かる検査であり、検査直前の食事などにほとんど左右されない事から、治療方針を決めるための重要な指針となります。
HbA1cの正常値は4.6~6.2%であり、糖尿病と診断されていてHbA1c値が8.4%になると糖尿病合併症を生じるリスクが高くなり、合併症の予防には6.9%未満を維持する必要があるとされています。
糖尿病はHbA1cの数値だけでなく、様々な検査や問診などの結果を総合的に判断して診断されます。HbA1cが6.0~6.4%は糖尿病の可能性が否定できない状態、6.5%以上は糖尿病が強く疑われる状態とされており、どちらの場合も受診して検査を受け、糖尿病かどうかを確かめる必要があります。

早期の治療が有効です

厚生労働省の調査では、HbA1c6.5%以上の糖尿病が強く疑われる方は日本に1千万人いると推計されており、治療を受けていない方の割合が男性21.1%・女性25.8%とされています。40代男性は治療を受けていない方が48.5%を占めており、危険な状態の方が多いです。
また、HbA1cが6.0~6.4%の糖尿病の可能性が否定できない糖尿病予備群も1千万人程度いるとされています。
糖尿病は早期に治療を開始する事で無理なくできる生活習慣の見直しで改善につながる可能性が高くなり、動脈硬化の進行リスクも効果的に抑制できます。

DIABETES糖尿病の治療

食事療法

糖尿病での治療として最も重要です。単純に摂取カロリーを制限するのではなく、栄養バランスや、食事のとり方などをしっかり理解する事で、無理なく行えるようになります。
全て行おうとするとストレスになって続かない可能性が高いので、無理なくできるものから行ってみましょう。

飲物

無糖の水やお茶、ゼロカロリーのものを飲むようにして下さい。

メニュー

パンだけ、麺類だけという食事を避け、おかずと主食というメニューを心がけます。

野菜は1日350g以上
サラダでは食べ切るのが厳しい量ですが、加熱する事で楽に食べられます。
順番

野菜やタンパク質をまず食べてから、主食となる米・パン・パスタ・麺類を食べましょう。

主食の量

主食をとりすぎない事が重要です。身長や日中の活動量などによって主食の必要量は変わります。主食の量が少ないと満足感が得られない場合は、タンパク質を増やしましょう。
大まかな目安として、ご飯は1日両手のひら大、たんぱく質を1日片手のひら大、野菜は1日片手のひら〜両手のひら大を目指しましょう。

朝食をたっぷり、夕食は軽めに

これから活動する朝の食事はしっかりとって、夜の食事を軽めに抑えます。

運動療法

歩数計やアプリ、スマートウォッチなどで毎日の歩数管理を行い、目標の歩数を楽にクリアできるようになったら、千歩ずつ目標を増やし、最大8千歩まで増やしましょう。散歩など日常に取り入れやすい有酸素運動を習慣にします。
1日おきに筋肉トレーニングを行います。トレーニングの前後にはしっかりストレッチを行って下さい。
運動できない日には1時間以上座らずに立って過ごす事で、ある程度の運動量を確保できます。

薬物療法

食事や運動だけでは血糖値が十分下がらない場合には、薬物療法やインスリン投与を行います。進行状態や体質、合併症、服用している薬、ライフスタイルなどをしっかり考慮した上で処方しています。薬物療法を始めてからも食事療法や運動療法は必ず続けて下さい。
なお、現在は早い段階で薬物療法を行う事で高い効果を得られるケースなどが報告されています。

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